互いの縁を結びあった、縁(えにし)1stワンマン公演レポート!!!!!
先にSUIの言葉を借りて、ここまでの経緯を説明したい。
「2021年秋、Davidとして活動しているSUIの当日限定セッション)バンドとして、Vocal/SUI Guitar/美沙麗 Guitar/cero Bass/リゼ Drums/Syuが集結。自分に縁の深いメンバーが集結したことから、「縁(えにし)」と命名。11月14日に一夜限りのバンドとしてライブを敢行するが、機材トラブルにより不完全な形のライブになったことから、活動継続を決定。2022年5月3日にリベンジと称し2部制初ワンマンライブを行うことになりました。
一部は初ライブの再演となるリベンジ無料ライブ、二部は初披露のオリジナル楽曲を含む有料ライブを実施。新音源「旬」の会場限定2nd CDも発売します」
第一部と第二部では、演奏曲を入れ換えて実施。第一部と第二部では、異なるテーマを持ったライブを行なっていた。ここでは、5月3日・大塚Hearts Nextを舞台に行われた第二部公演「旬」の模様をお伝えしたい。
物悲しくも美しい音色が流れだす。次第に荘厳と勇壮さを増す音色。その音へ導かれるようにメンバーらが舞台へ姿を現した。
ライブは、5人の命運を示すように、バンド名を冠した『縁』からスタート。「心を結ぶ焔は消えないまま」。SUIの雄々しき歌声を合図に、和要素を抱いた楽曲が思いきり吠えだした。フロアでは、高ぶる楽曲に気持ちを重ね合わせるようにヘドバンに興じれば、手バンしながら思いをぶつける大勢の結び(観客)たちの姿があった。美沙麗とceroが背中合わせでギターの旋律を重ねる姿に興奮を覚え、思いきり両手を咲かせて湧く結びたち。荒ぶる感情を、5人は音に乗せぶつけていた。胸を揺さぶるサビ歌も心を濡らす。泣きと激、2つの魅力を持った『縁』が、結びたちの気持ちを嬉しく高ぶらせる。
続く『鴉片』でも縁は、激しいシンフォニック/ブラストビートナンバーに乗せ、荒ぶる感情を歌や演奏にぶつけだす。その場で跳ねながら歌うSUIの動きに合わせ、共に飛び跳ねる結びたち。勇壮に変幻する楽曲に心重ね合わせ、揺れ動く感情のままに思いを響かせるSUI。彼の心の動きに合わせ、フロア中の結びたちも、その身を自由に騒がせていた。
序盤から激しい表情を立て続けに突きつけた縁。SUIは、訪れた結びたちと、この場で縁を結べることを喜んでいた。MCパートでは、両小指を立てる縁ポーズも披露。これが、今後も定着してゆく縁ポーズになりそうだ。
表情を塗り替えるように、リゼの手による『儚花』が儚さを抱くように流れだした。尺八の音色など和要素を抱いた音色も巧みに用いながら、縁は哀切な歌や旋律を聞き手の胸に染み込ませてゆく。言葉のひと言ひと言を紡ぐように歌うSUI。サビでは切なさに感極まった感情が破裂。嘆くように思いを響かせる姿を見せていた。メロディメイカーの多いメンバーたちが揃ったように、躍動する中にも胸を濡らす要素を巧みに重ね合わせた『儚花』を通して、縁は、結びたちの胸を歌声の腕でギュッと強く抱きしめてくれた。
一瞬の暗転。舞台の上には、SUIとSyuの姿だけが…。「巡りくる季節 わたしはあなたを想い 次の春を待ちます」と語りだすSUI。その言葉に続き、SUIがアカペラで歌いだしたのが松任谷由美の「春よ、来い」。言葉と思いを縁深く絡ませながら、SUIは切々と歌いあげていた。
SUIのアカペラを受け、Syuが荒ぶる感情を具現化するように雷を落とすような雄々しいドラムソロを叩き出す。轟く音がフロア中を席巻。曲が進むごとに荒ぶるSyuの演奏。轟く音へ導かれるように姿を現した演奏陣が、Syuのドラムに音を重ねだすようにセッションを始めた。その演奏を合図に、縁のライブは次の物語へ。
「残り2曲、想いを結べますか!!」「あの空を目指して全員で駆け抜けていきましょう。次の世界へ」。披露したのが、美沙麗の手による『八咫烏』。様式美ハードロック/メロスピな要素を巧みに取り入れた疾走するドラマチックな楽曲だ。曲も気持ちを騒がせるが、歌メロが感情を嬉しく高ぶらせる。SUIの煽りや動きに合わせ身体を折り畳めば、サビ歌では、SUIが頭上高く腕を掲げ、手にしたタオルをくるくるとまわしだす。その動きに合わせ、フロア中の結びたちも拳やタオルを、ときには頭を振り回し、メンバーらへ熱情した思いをぶつけ返していた。「かごめ かごめ」と、荒ぶる声を上げ結びたちを煽るSUI。胸を熱い高陽へと導く歌と演奏だ。激メロ高陽チューンの『八咫烏』が、気持ちも、身体も騒がせる。SUIと同じ動きを示しながら、大勢の結びたちが熱狂の先に見える世界へ心を飛ばしていた
「Syuやってしまえ!!」「悔い残すな、結び!!」とSUIはオーディエンスのみならずメンバーも煽り出す。重低音効いた演に乗せ、メンバーと結びたちが思いきり身体を折り畳み、ヘドバンに興じてゆく。感情と感情を剥きだしに思いをぶつけあう光景が、そこに広がりだす。最近は煽りパートを加えるバンドも少ないだけに、感情を剥きだしに出来るライブという場で、その本性をさらけ出せる面を見せてくれたことが嬉しい。
荒ぶる感情をさらに熱情した興奮の宴へと変えるように、最後に縁は『紋章』を演奏。先に生まれた熱情を、『紋章』がさらにドラマチックに、胸高ぶる気持ちへと導いていった。間奏では、美沙麗とceroのツインギタープレイも登場。頭を振り乱すSUIの動きに合わせ、フロア中の結びたちもヘドバンに興じれば、楽曲の変化に合わせ、手バンや花を咲かせてゆく。巧みに曲の表情を読み取り、その場に似合う熱情した景色を、この空間に作りあげていった。
アンコールでは、チケット完売まであと一歩届かずもワンマンの満員御礼を受け、これからも縁が続くことを宣言。互いの縁をふたたび強く結びあうように『縁』を演奏。メンバー自身の気持ちも高ぶれば、フロア中の結びたちの縁へ向けた期待高まる思いも重なり合った理由もあり、冒頭のとき以上に感情剥きだしの姿を互いにさらけ出していた。フロア中で髪の毛が大きく波打つ様や、ひと際大きな手の花が咲き誇る景色の、なんて美しかったことか。SUIの「飛べ!!」の声に合わせ、無邪気に跳ねる結びたち。まだ始まったばかりのバンドにも関わらず、ここには、早くも身体馴染む一体感が生まれていた。これからの縁の進撃が楽しみになってきた。
縁は、8月に新しい作品を発売。さらに、8月11日には埼玉会館小ホールで毎年行われている夏のイベント「漆黒のシンフォニー」をジャックし、縁による初主催イベント「縁日」を行なうことも発表してくれた。
この縁、また夏まで結び続けていようか。
PHOTO:Lestat C&M Project
TEXT:長澤智典
セットリスト
第一部「逆時計」
『縁』
『紋章 -Imperial Code-』
『Dresscode』
『Sabbath』
第二部「旬」
『縁』
『鴉片』
『儚花』
SUI~Syu Solo
『八咫烏』
『紋章 -Imperial Code-』
-ENCORE-
『縁』
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