<Soanプロジェクト with 芥> 『真夏の夜の夢vol.2 』~下駄と帯紐と私、愛する貴女のため・収穫祭~ 2018年8月22日 SHIBUYA-REX

下駄と帯紐と愛する仲間たちと…。Soanプロジェクト with 芥、浴衣姿の野獣と美女たちが繰り広げた一夜の熱し乱れた夏祭り。

       
 9月5日(水) 3rd Mini Album『動猛成る狂想、動脈に射つ。』の発売に先駆け、Soanプロジェクト with 芥は、8月22日(水)に渋谷REXを舞台に、「『真夏の夜の夢vol.2 』~下駄と帯紐と私、愛する貴女のため・収穫祭~」と題したワンマン公演を行った。同名タイトルのライブは昨年も実施。夏に相応しく、メンバー全員和装姿でライブを行ったところ、ファンたちからも大好評ということで、今年の夏も行われた形だ。メンバーも、Soan/芥(from Chanty)/K/Shun/Ivyとお馴染みの面々。今宵は、ファンたちも色とりどりの鮮やかな浴衣姿で来場。そんな華やかで艶やかな一夜の夏の夢物語を、ここへ再現しようじゃないか。

 雅で幻想的な音色が鳴り響く。舞台へ姿を現したのは、艶めいた和装姿のメンバーたち。今宵は艶やかな宴と化すのか、それとも…。

「右手を上げていこうぜー、折り畳め!!」。Soanの言葉を合図に流れたのが『月欺けば傀儡が笑う』。とても雅で、妖艶さを抱いた楽曲だ。その中へ彼らは低音効いた音の刺激を差し込み、騒ぎたい観客たちの身体を冒頭から激しく折り畳ませた。こんなにも妖艶でたおやかな楽曲でさえ、狂気導く宴の調べに変えてゆくとは、なんて気の違った連中だ。むしろ、最初から本能を剥き出しに観客たちへ挑みかかったというべきか。何時しかフロアー中が、暴れ騒ぐ祭り人たちの狂騒に冒されていた。
「さぁまだまだ飛ばしていけるよな、派手にいこうか!!」。煽り続けるSoanの声に導かれたのが、『薄紅は舞い散り寂光に消える』。身体を直撃する重厚な音が気持ちを熱く掻き立てる。その音に刺激され観客たちの誰もが、頭を振り乱し騒ぎ狂う。サビで響き渡る、胸を熱く昂らす妖艶な歌。攻めの表情と高揚した気持ちを交錯させながら楽曲は、会場は、どんどん熱を孕んでいった。
荒々しい音を掻き鳴らすShunのギター、そこへ重なる重厚なリズム隊が生み出す激しい音の唸り。その刺激に触発されたフロアー中の人たちが、舞台上へ絶叫を返してゆく。雄々しい歌声を魅力に『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』を歌いあげる芥。彼の歌はつねにドラマを描き出す。その感情的な物語へ、今宵の演奏陣は何時も以上の衝動を重ね、観客たちを猛暑以上の熱気渦巻く世界へ引きずり込んでいた。整えていた着物を乱してさえも、今は熱狂へ溺れたい。

何時も以上に煽り声を上げ荒ぶるSoan。彼の気持ちへ導かれるように、舞台上のメンバーたちが、何より観客たち自身が、最初から理性の留め金を外し熱狂を求めていた。
 熱を孕んだ空気の中へ、彼らは一気に重苦しい鉛のような音を沈めだした。堕ちるほどにゆっくりと広がる重厚な音。芥の叫びを合図に、演奏は、地の底から沸き上がるような重い衝動を響かせる『透過幕』へ姿を変えてゆく。深い深い奈落の底で嘆くように、己の存在を光から遠ざけながらも、黒く濁った闇の中へその姿を浮き立たせるよう「ここいるよ」と言わんばかりに芥は歌い叫んでいた。
嘆くように、痛む心へ切なさを刺すように、Soanプロジェクト with 芥は重い音の楔を打ちつけた。狂気をまとった『濁った瞳』が、理性と破壊の狭間の中でゆれ動く。壊れそうな、でも破裂寸前の感情を、沸き上がる気持ちへ委ねるままに歌う芥。 荒れ狂う音の中で嘆く彼の歌声の、なんて胸を搔きむしることか。濁った瞳は何を映し出すのだろうか。いや、僕らはそこへ幻を投影していたのだろうか…。濁った音が、理性をどんどん掻き乱してゆく。

幕間…。そして、、、、、、流れだしたのは、黒い泥を身体中へ塗りたくるように響き出した『undelete』。高揚と落下する意識を絶えず繰り返しながら、その楽曲は、観客たちの理性の留め金を外し、荒れ狂う音の渦の中へぐいぐい巻き込んでゆく。重く激しく唸る演奏が、嵐の中へ誘い込む男版ローレライと化した芥の歌声が、黒い渦の中へ会場中の人たちを落としていった。
「誰にも断ち切れない証を残しましょう」。その演奏と歌声は心に優しく腕を伸ばし、チクチクとした痛みを伴いながら身体の内側へ印を刻んでゆく。『sign…』、激しさの中にも寄り添う優しさを醸しながら、その歌は、棘のついた両腕で僕らの身体をきつく抱きしめてゆく。その痛みさえ恍惚へ導くサインだとでも言うように。

 「全員派手にいこうぜ」。『朽ち木の行方』が流れだすと同時に、会場中の人たちが頭上高く手を掲げ手拍子しながら跳ねだした。重く激しい唸りを上げた演奏が、観客たちの身体を思いきり折り畳んでゆく。とても重厚なダンスビートだ。鋼の如く弾む音たちに刺激を受け、身体が揺れ続ける。もっともっと与えてくれ、感覚をすべて吹き飛ばすくらいの衝動を。。。
これまでの重厚な演奏から、一変。Soanプロジェクト with 芥が届けたのが、JITTARIN JINNの『夏祭り』。原曲以上に重厚で強靱なビートの上で、高揚抱いた歌を届ける芥。サビでは観客たちが手にしたタオルを大きく振りまわし、みずからが打ち上げ花火になった勢いで、フロアー中へカラフルなタオルの花を咲かせていた。
「もっとデカい花火打ち上げようぜ!!」「揺らせー」。横ノリなグルーヴを抱いたダンスビートナンバー『arrive』へ飛び乗り、会場中の人たちが身体を大きく横に揺らしたり、飛び跳ねたりと、演奏に合わせ跳ね人と化していた。芥の煽りに絶叫を返す観客たち。求めれば求めるほど失うどころか、熱はどんどん膨れ上がる。さぁ、飛べ、飛べ、飛び跳ねまくれ。
「まだまだ踊れるかー、夏祭りしようぜ」。芥の声を合図に飛び出した『hysteria show time』に合わせ、観客たちが右へ左へ一気にモッシュ。猛々しい音を背負い爆走する演奏に合わせ頭を振りまわせば、荒れ狂う演奏へ戦いを挑まん勢いのもと、その両足でフロアーを思いきり踏みしだいてゆく。暴れろ、荒れ狂え、ヒステリックなその身こそ、宴を彩る最高の戦闘服だ。
「踊り子、踊り子」と狂ったように叫ぶSoan。サイコティックで過激なラウドグルーヴナンバー『躁狂の踊り子~山紫水明の宴~』の登場だ。フロアー中の人たち
が手にしたタオルを振りまわし、右へ左へ跳ね続けていた。「踊れ、唄え、狂え」、その歌声通り、誰もが激しく唸る演奏へ身を預け、恍惚に溺れる跳ね人と化してゆく。思いきり身体を揺らし続ければいい、浴衣の裾さえ跳ね上げ、踊り続けろ。それが快楽へ溺れる証だからこそ。
本編最後に、Soanプロジェクト with 芥はふたたび『月欺けば傀儡が笑う』を。しかも、ここでは~煽りループver.~として演奏。激しさと妖艶な色を交錯させた演奏へ意識を溶け込ませた観客たちは、浴衣の乱れを気にしつつ、少しの上品さも匂わせながら、それでも荒ぶる声を張り上げていた。何度も繰り返される煽り。ループを繰り返すほどに乱れる理性と浴衣。途中、Kが「お前ら何年バンギャルやってんだよ、もっと前へ来いよ」とマイクを持って煽る場面も。乱れるなら、とことん乱れればいい。ここまで来たら、理性に留め金なんてふたたび噛ませやしないんだもの。演奏を終えたときのKとShunは、だいぶ着物の前がはだけていましたからね。

アンコールでは、メンバー一人一人がポースを決めながら舞台へ登場。「また来年もこういう機会をもてたらなと思います」。Soanプロジェクト with 芥が最後に届けたのが、美しく、切なくも、愛おしさに満ちたメロウナンバー『刹那を駆ける命の一行に』。ジワジワと胸に染み渡る温かい歌声へ優しく抱かれるように、誰もが微笑ましい笑みを浮かべ、スケールあふれた『刹那を駆ける命の一行に』へ身を寄り添えていた。すべての嘆きや興奮を空へ解き放つように流れた歌に僕らは吸い寄せられていた。共に空へ駆け上がり、きらめく星の一つ一つとして夜空へ溶け込む気持ちのまま、Soanプロジェクト with 芥の描いた宴のフィナーレを笑みを浮かべ見つめていた。

この熱狂の続きは、秋に行われるSoanプロジェクト with 芥のワンマン公演へと繋げようか。そしてまた、共に熱狂の渦の中で心一つに溶け合おうじゃない。

PHOTO:遠藤真樹
TEXT:長澤智典

―セットリスト―
『月欺けば傀儡が笑う』
『薄紅は舞い散り寂光に消える』
『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』
『透過幕』
『濁った瞳』
-中間SE-
『undelete』
『sign…』
『朽ち木の行方』
『夏祭り』(Cover)
『arrive』
『hysteria show time』
『躁狂の踊り子~山紫水明の宴~』
『月欺けば傀儡が笑う』~煽りループver.~
-ENCORE-
『刹那を駆ける命の一行に』
-End SE-
『紫陽花がまた咲く頃に』

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